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ジオラマベース「CVN77」
 

エアベースのパネル組み合わせ式ジオラマが一段落したところで、同じ方法で空母1隻分が作れないかと考えてみました。

ジオラマベースをリニューアル。組み合わせることで空母1隻分を再現します


まずはザクッとした実現可能性について考えるため、空母の構造について調べてみました。艦によってレイアウトや寸法は多少違うものの、おおまかな構造は似ています。目的はあくまでも航空機モデルを引き立てるジオラマ作りであり、リアルに空母を再現することではないので簡易的な空母で構いません。

主に

・カタパルト

・着陸用ライン、ワイヤー

・エレベーター

・ブラストデフレクター(パーツ配置式で簡略化)

があればそれらしく見えると思います。

難題はなんといっても艦橋構造物です。

 

 

会社の休み時間を使って検討(笑)

空母甲板は全長330m×77m。1/200にすると165cm×38.5cmとなります。

…パネルの寸法は30cm×40cm。これはけっこう簡単に実現できるのでは?

そこで空母上面のイメージに30×40cm比率の長方形を描き、当てはめてみたところ、パネル5枚分で実現可能ということがわかりました。

 

 

今回取り組むのは空母甲板だけなので平面的な構成となります。パネルは1枚100円なので失敗してもダメージは大きくありませんが、念のためどのような感じに仕上がるのかイメージしてみました。背景については陸上基地ジオラマの時に背景シートが使えることがわかりましたが、今回の課題はやはり海面と艦橋の処理になりそうです。

 

 

ダイソーでMDF板300×400を5枚購入してきました。デッキ先端は幅が細く、後端は長さが短いので板を半分に切って使うよう節約しています。

 

 

空母甲板のシルエットを再現しようとすると艦首・艦尾の2枚にカットする作業が生じます。板はとてもカッターで切れるような厚さではないので簡易的なノコギリを使用しました。まっすぐ切るには技術と集中力が必要で、結果的にはラインがやや曲がってしまいました。

 

 

1/200スケールといっても空母全長は160cmくらいになるので、作業場の確保には一考が必要です。人が寝転んでいるくらいのスペースをとってしまうので、私のように自分の部屋がない場合は家族の理解が必要です(笑)

 

 

ざっとレイアウトの確認です。空母自体は大きいものの、絵になる部分というのはカタパルト射出のあたりがメインになると思います。確認してみるとちょうどパネルのつなぎ目がきてしまいますが、これは避けようのないところです。

 

 

この空母甲板は計6枚のパネルで構成されますが、前半の課題のひとつが塗装の均一化です。一度に塗装する作業スペースがないので分割して塗装を行っていますが、もともと塗装が得意ではないので大変でした。MDF板は塗料のノリが悪いので重ね塗りが基本となりますが、今回は連結するパネルとのつなぎ目に配慮する必要がありました。

 

 

毎回板を並べるのは大変なので制作中はパネルの裏をガムテープで仮止めしています。特にメインランウェイなど複数パネルにまたがるような長いラインは固定した上で位置を決めた方が、作業性の安定性と精度向上を期待することができます。

 

 

反射シールはテープ状になっていて便利なのですが、幅が20mmほどあってジオラマには太すぎます。1.6mほどの長さをカッターで細く切断する必要がありますが、なかなか太さが一定にならずこの作業には神経を使います。

 

 

飛行甲板に滑走ラインを配置してみました。ちょっと線が太いようで不格好な印象を持ちました。面倒でしたがさらにラインを切断してシャープさを求めていくことにします。

 

 

現代空母の3大発明であるアングルドデッキ。中心に対して9°の角度がつけられていますが計測することを忘れてしまいました。このジオラマは最終的にパネル分割できるようにするのですが、つないだ際にラインがきっちりと合うようにパネルは固定した状態で貼り付けます。

 

 

先に左ラインを貼って、これの基準として平行を求める方法をとりました。詳細な寸法は資料がないので、このあたりは目分量です。

 

 

最終的にラインを細く切り直しましたが、結果的にはイメージ通りになりました。センターのラインは等間隔で黄色のマーカーを使って塗っています。

 

 

滑走路ができると一気に空母らしくなってきます。

 

 

ローアングルからのテスト撮影。手前に写る板の厚みは構図から外した方がよさそうです。このアングルを使うとなるとやはり艦橋と背景シートが欲しくなります。

 

 

着艦時のイメージ。このアングルからはただの「板」にしか見えなくなるので使えそうにありません。甲板下に艦体としての厚みが欲しくなります。

 

 

エレベーターの配置に入ります。大型空母は甲板の外側に艦載機を昇降させるデッキサイド・エレベーターを設けており、右舷に3基、左舷に1基を配置しています。おおまかな位置をずらすわけにはいきませんが、パネルの繋ぎ目を跨がないように調整しました。

 

 

さすがに可動式にする技術はなく、プリンタで印刷した紙を切って貼るだけの簡単な方法を選びました。ラインはExcelの図を使って描いた線をレーザープリンタで印刷し、カッターで切りました。

 

 

空母のジオラマ作りでとても重宝しているのが、以前センチュリーウィングさんのサイトで提供されていたジオラマシートのPDFデータです。改めて検索してみたところ公開は終了しているようで見つけることはできませんでした。

 

 

紅白のファウルラインを貼りました。本来はもっと細くしたかったのですが、均一にカットするには技術がおいつかず5mm幅が限界でした。ラインは1cmの等間隔で赤いマーカーで塗りました。地味に根気が求められる作業でした。

 

 

効果が薄い作業となってしまったのがこちら。ハセガワさんから出ているメタルフィニッシュシートは金属感のある薄いシートで、曲面にも追従する便利グッズです。お値段は1000円前後とやや「高価」ですが、「効果」の方も抜群です。

 

 

空母デッキの市販品ではカタパルトにエッチングパーツを採用しているものが多く、それをイメージしてみました。…ですがその効果はいまひとつでした。反省点としてボルト穴などもっと作りこむ必要があり、色もガンメタルではなくカッパー風の方がよかったように思います。余裕ができたらつまようじを押し当てて、ディテールアップをしてみようと思いました。

 

 

甲板後部のアレスティングワイヤー部分です。ワイヤーの付け根にある巻き取りリールみたいな部分もExcelを使ってそれらしい図形を描いてみました。サイズもいくつか用意したものの、工作技術が追いつかず結局は一番大きなサイズを選びました。

 

 

ワイヤーは金属製の細い素材を選ぶこともできましたが、今回は加工のしやすさを優先し、ただの糸を張りました。伸縮機能はありません。

 

 

今回最も大きな課題となる空母の艦橋、通称”アイランド”。カタパルトデッキからどのように見えるのかテストしてみました。サイズ的には仮置きした箱と同じくらいのはずですが、主役はあくまで航空機なのでアイランドは四角い形状のものを用意するだけで結構いけるかも。

 

 

艦の番号は色々と悩みましたが、結婚記念日の日付をとって77としました。実艦ではジョージ・H・W・ブッシュが該当する番号でしたが直接的な関係はありません。

 

 

これで一連の甲板上の貼りものは終了しました。1/200スケールのF/A-18Fを搭載してテスト撮影。やや手前が長めに写っていますが、全景はこのような感じです。

 

 

勢いで作ってはみたものの、普段は場所を取るのでこのように全体を連結することはなさそうです(笑)。

 

 

ここまでやったら空母の艦橋は不可避…ですね。

 

 

このジオラマを作ることで空母の機能性がよくわかりました。このような巨大な空母を7隻も保有するアメリカはまさに世界最大のシーパワー国家です。

 

 

 

ジェットブラスト・デフレクターは可動式にするのは大変困難です。展開した状態のパーツを上に置く方式をとることにします。

 

 

以前、空母艦上で誤って火災事故をおこした事故を教訓に、航空機には武装をとりつけた状態で移動させることは禁止しているそうです。写真のような光景は見られないということですね。

 

 

今回悩んだのは艦載機をロープで固定するためにある、甲板のタイダウンホールでした。このツブツブのような模様の有無でけっこうイメージが違ってくるからです。最初に考えたのはシャーペンについている消しゴムに切り込みを入れ、ゴム印を作ってスタンプを押していくというアイデアをもっていました。ただ意外と加工が難しく、穴の大きさにムラが出てしまいました。

ふと思いついた方法はプラスドライバーを押し当てて溝を作っていく方法です。実際には凹凸が逆なのですが、老眼がすすむ私の目にはどちらでも大差はなく、”らしさ”は十分だと思えました。

 

 

とりあえずできる部分まで完成することができ、一区切りつけることができました。時間をみつけて集めたダイキャストモデルを並べてみたいと思っています。

 

 

やはり空母は艦橋がないと締らない…ということで簡単な箱を用意してみることにしました。ただ私の技術では本格的な工作は難しいということは自覚しています。そんな中、お世話になっているkenさんからペーパークラフトというアイデアをいただきました。100均で売っていた厚紙を試してみたところ、適度な硬度をもった材質であり、なんといっても加工が容易というメリットを感じました。細かいことは考えず、とりあえず思うがままに手をすすめてみることにしました。

 

 

仮置きでテスト撮影。まぁまぁの雰囲気です。

 

 

艦橋にグレー塗装を行い、艦番号を貼り付けました。ディテールはありませんが空母甲板の雰囲気は一気に高まると思います。

 

 

アングルの確認。これくらいだと艦橋上部のマストやアンテナも欲しくなってくることがわかりました。

 

 

斜め上方からやや俯瞰気味で。艦橋は意外と思えるほど小さく写ります。ディテールよりむしろアンテナを含めた外観を用意することが大切のようです。

 

 

空母全体を作る気力も技術もありませんが、海面に甲板が接しているのは不自然なので嵩を増したいと思います。甲板と同様に100均ショップで板材を購入してきました。せっかくなので船体をイメージした形にしたいと考えました。

 

 

艦首木材は蝶番で接続し、鋭角にするとちょうど空母らしさが増して見えます。甲板が海面から離れるだけでもかなり効果がありますね。

 

 

以下、スペーサーと呼びます。スペーサーはただ並べてその上に甲板を置くだけも用が足りますが、せっかくなので全てを蝶番でつないでみました。収納性が高まり、ハンドリングもよくなります。

 

 

空母甲板は広く見えますが、海面に接する実際の船体はこのような感じだと思います。

 

 

ざっとこんな感じです。海面に影ができるのでスペーサーの効果が感じられます。

 

 

横に並べると1.6mもありますから、いざ飾ってみるとなかなか存在感があります。横から覗きこまなければ十分でしょう。大きさの参考としてiPhoneを甲板に配置してみました。

 

 

今回のジオラマの最大の特徴であり、またメリットといえるのは不要な時は重ねてしまえる省スペース性です。

 

 

海面からは高さがやや足りないかもしれませんが、撮影は上から撮るので甲板に隠れるはずですから構わないでしょう。背景は雲が低すぎたので工夫が必要かも。

 

 

洋上の要塞である航空母艦なので艦載機が1機では寂しいですよね。実際に空母の姿が見られるのは艦載機を下ろして母港でメンテナンスを行っている時だけですから、現実的にはこんな感じでしょうが。。。

 

 

せっかくの機会なのでしばらく箱の中で休んでいたダイキャストモデルを引っ張り出し、飛行甲板に並べてみました。

 

 

世代は変わってしまったとはいえ、米軍の空母にはF-14トムキャットが似合いますね!

 

 

今回のジオラマ制作で参考とさせていただいた画像をもとに、航空機の配置も参考にしました。発着艦する機体が使う滑走路は万が一のためにも空けているようでした。

 

 

艦首にはF-14を配置してみました。1,2番カタパルトは想像以上に幅が狭いので1列に並べるのが限界です。

 

 

滑走路脇にF/A-18E/Fスーパーホーネットを配置しました。MシリーズからはCVW-5のCAG機が発売されているので日本のファンは幸せですね。

 

 

空母左舷後方の甲板です。左舷に1基だけ設けられているエレベーターの周辺には4〜5機を駐機することができます。

 

 

後方には以前活躍していたCVW-5のレガシーホーネットを集めてみました。

 

 

機体サイズが大きなE-2CやS-3Bを見ていると、主翼が大変邪魔であることが体験できました。艦載機には主翼折り畳み機構が必須であることがよく理解できます。

 

 

飛行甲板の運用を決める指揮所では、コンピュータが発達した今でも甲板の模型を使って機体の移動を考えているそうです。

 

 

望遠レンズの圧縮効果を使って甲板の混雑した状態を撮影。この狭い甲板上で70機もの航空機が時速200km以上で飛び交うのですから「世界一危険な職場」と呼ばれています。

 

 

ローアングルからの眺めです。今回は船体の製作までは予定していませんが、嵩上げようの板をグレーに塗装するくらいは後で処理しておこうと思いました。

 

 

左舷前方からの眺め。基本的に板の組み合わせだけですが、意外と空母らしさが出ていると思いました。

 

 

今回配置した艦載機は25機。この3倍くらいの航空機を運用すると思うと実に凄まじい艦艇です。

 

 

艦橋側から艦首を眺めたアングルも撮影可能です。

 

 

今回のコストまとめ(概算)です。

ディスプレイベース108円×5=540円

嵩増し用板材108円×10=1080円

メタルフィニッシュ980円

スプレー塗料598円

反射テープ698円(地上基地ジオラマの残り)

厚紙108円

透明プラ版108円

合計2,816円

(他、ドライバー、マーカー、両面テープなど前回作の残りを流用)

 

 



[20180314]

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