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期待の新金型で登場したラファールです。オリジナルモデルには意欲的に取り組むMシリーズらしく、結構こまかい造り込みが楽しめます。是非ユーロファイターと見比べたい機体です。
Mシリーズから新金型での登場となったラファールです。リリース予定より3ヵ月ほど遅れましたが楽しみにしていた方も多いのではないでしょうか。名称になっている「ラファール」の由来ですがフランス語で「疾風、突風」という意味だそうです。フランスは他にもミラージュ(蜃気楼)などネーミングセンスもなかなか洒落ていますね。
正面から見たラファールの顔つきですが、独特のシルエットとなっています。特徴的な部分としてはコックピット横・後方に設けられたカナード翼と両脇にあるエアインテイクの形状の組合せです。写真では伝えにくい部分ですが、複雑な曲面で構成される機首部分をうまく表現しています。
見たことがない機体を立体物で色々な角度から眺められるのは本当に楽しいですね。今回のラファールは特に横顔を楽しみにしていました。全日本模型・ホビーショーで見た時は機体上面からの形しかわからず、ユーロファイターとの区別も難しい程でしたが、横顔ではハッキリと違いがわかります。特に三角にも見える頂点部が尖ったキャノピーや意外とボリューム感のあるノーズデザインは気に入っています。
フランスが誇るミラージュ戦闘機との競演です。機体サイズではラファールの方が一回り大きいようですが、胴体のボリュームがあり、さらにカナード翼が新鋭機らしさを感じさてくれます。デルタ翼機は翼面積が広いので大きめに見えるかもしれませんが、ラファールはF-16と同サイズです。
続いてはライバル機ともいえるユーロファイター(左)との競演です。カナード翼にデルタ翼の組合せから、この二機は類似した機体だと思っていましたが、こうして比較すると全く別物ですね。特に機首から胴体の太さや曲線の変化、そしてカナード翼の位置が大きな違いです。
当初フランスはユーロファイター計画に加盟していましたが政治的理由により脱退、独自開発の道を歩むことになりました。背景としてはフランス国内エンジンメーカーの存亡がかかっていたという事情があったそうですが、ユーロファイターの機体に積むには性能不足だったそうです。またフランスだけは空母艦載機としての運用を視野に入れていたため、機体サイズを小さくしたかったという理由もあるそうです。ちなみに今回のモデルはラファールの海軍仕様機です。
フランスはユーロファイター計画から脱退し、独自に戦闘機を開発することになりました。1国で戦闘機を開発するわけなので開発費用については予定より増えてしまいましたが、他国間の面倒な調整作業がない分、開発計画が遅れるユーロファイターを尻目にラファールは順調に開発が進められました。コストが高いため難しくなっている戦闘機開発ですが一国だけで作り上げてしまったフランスはすごい国です。
ラファールは大きな事故もなく、優秀で評価も高い機体です。フランスも積極的に売り込みをかけていますが残念なことに採用国はほとんどありません。おそらくはフランス一国だけによる開発と支援体制が懸念材料になっているのでしょう。
空自F-Xの候補としてラファールもエントリーされていたのは有名な話です。しかしダッソーは「日本の航空自衛隊にヨーロッパ機が採用される可能性は極めて低い。当て馬にされるのは時間と金の無駄だ…」という理由で情報提供には応じませんでした。一見すると失礼な感じもしますが日本側も「確かにその通りだからこれ以上何も言えないなぁ…」ということで何のコメントもないあたり、お互い割り切った本音が感じられて面白かったです。
空自F-Xへの提案を蹴ったダッソーとは反対に、ユーロファイターは積極的に提案を行っており、もしかして空自が初めてヨーロッパ製戦闘機を導入するのか!?というところまで話は盛り上がりました。2010年10月時点でF-Xの機種は決まっていませんが、もしユーロファイターが採用された暁にはダッソーも「えっ、まさかウソでしょ!提案しておけばよかった…」と思うに違いありません。
ラファールの精悍な顔をアップで撮ってみました。今回のモデルはフランス海軍の艦載機仕様なので、がっしりとした二輪タイプの前脚を装備しています。キャノピー内部の作りこみも丁寧にされているので質感はかなり良いです。
従来パターンでは新金型で付加価値を問うHerpaが最初に出してきてもおかしくないラファールでしたが、Hoganが口火を切ってきました。更にHoganは完全新モデルとしてP-3CやF-86を投入してくる予定です。HerpaとかぶりますがF-16C、F/A-18Cも出してきますし、F-15Eの試作も公開されています。これからも予算の確保が頭を悩ませます。