たびパパ 趣味の飛行機ページ 1/200ダイキャストモデル
















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No.116   P-3C 5048 203ATS JMSDF Shimofusa A/B by INFLIGHT200


1/200スケールダイキャストではめずらしくINFLIGHTからミリタリー機のP-3Cが発売されました。まずは個人的にも強い思い入れのある下総教育航空隊のP-3Cを購入しました。

旅客機からの転身で成功をおさめたベストセラー対潜哨戒機

INFLIGHT社は少量生産で高品質な旅客機モデルを手掛けているメーカーというイメージを持っていましたが、今回はミリタリー系のP-3Cオライオンがリリースされました。しかも嬉しいことに海上自衛隊機の4機がラインナップされており、今回は下総基地のグレー塗装を選びました。最初にパッケージを開けた時の印象は「ちょっと色が濃いなぁ…」と感じました。しかし色の再現というのは難しいようで、そもそも人によって感じ方や記憶も違いますし、天候や光線の状態、印刷物やディスプレイの状態によっても異なります。そういう意味では発売前に発表されていた絵のイメージ通り(?)、濃いめのグレー色が正確に再現されています。

操縦席まわりは塗装で表現されています。旅客機モデルでは仕方がないかもしれませんが、戦闘機のキャノピーばかり見ているとどうしても物足りなく感じてしまいます。せめてもう少しガラスの部分を暗めの色にしたらメリハリがついて格好いいかもしれませんね。胴体側面には左右2個づつ計4個の監視用バブルキャノピーが設けられており、本モデルでも再現されていますがこの調子で操縦席のガラスも再現できるとより実機らしさが出ると思います。全体的に何か物足りないなぁと思っていましたがどうやらノーズにあるネコのヒゲのような線がありませんでした。(最下段の実機写真をご参照ください)

P-3Cの大きな特徴のひとつが機体尾部に突き出すMADブームです。MAD(Magnetic Anomaly Detector)は磁気探知を行うための装置で、海中に潜む潜水艦の存在を探すことが目的です。発売前に発表された塗装図ではMADブームが赤く塗装されており大変心配しましたが実機の通りに修正されておりホッとしました。

海上自衛隊にはプロペラ機が多いのですが、これは低速性能に優れていることが理由のひとつと聞いたことがあります。対潜哨戒の任務上、潜水艦を発見した際には8の字を描くように飛行して敵潜水艦を追い込むので、遅い速度で飛べる方が旋回半径も小さくてすむことになります。またプロペラは主翼の前に付いているので、プロペラから発生した風流が主翼に当たることで揚力が早く増という二次効果もあるそうです。ちなみにプロペラは回転運動だけでなくプロペラのピッチも制御するため機構が複雑で、意外なことにジェットエンジンよりも高額だそうです。

千葉県にある下総教育航空群では対戦哨戒機のクルーの教育を行っており、2011年2月時点ではP-3Cを運用する第203教育航空隊とYS-11T-Aを運用する第205教育航空隊が所属しています。そのうちYS-11T-Aは残念ながら数か月後に退役することが決まっており下総基地はしばらくP-3Cのみとなりそうです。しかしあと数年のうちに次期対潜哨戒機P-1が配備されると思いますのでそちらも楽しみです。

第203教育航空隊のマークは教育部隊らしく、下総基地から八戸、厚木、岩国、鹿屋、那覇の各基地へ連携している事を星で表現した実にすばらしいデザインです。マークといえば以前の海上自衛隊機はツートンカラーのハイビジ塗装に、大きく派手な部隊マークを描いて我々を楽しませてくれました。しかしその部隊マークはどの基地から飛来した機体であるかが特定されてしまうことが問題になり、機体は灰色一色のロービジになり部隊マークも消されてしまいました。それでも実戦部隊ではない下総の第203教育航空隊はマークを小型化するなどの努力で部隊マークを継続してきましたが、時代の波には勝てず現在では消されています。

欧米のモデルメーカーの特徴ですがモールドとマークは少な目のようです(対全日空商事のYS-11T-A比)。どこかの記事で日本人はモールドがないと物足りなさを感じるが、欧米はのっぺりとしたモデルにも寛容である…というような事を読んだことがあります。同時に発売されたツートンカラーのP-3Cはまだ塗装が派手なので良いのですが、灰色一色のこのモデルは比べるとかなり寂しさを感じますね。できればハイビジ時代で再現してもらえれば最高でした。

下総基地は操縦教育のためかタッチ&ゴーが見られる機会が多くあり、長い時では2〜3機が1時間以上も基地周囲を飛行して訓練を行っています。そのため着陸を見るチャンスはたくさんありますが、同基地はランウェイエンドとフェンス脇が近いため非常に低い迫力ある着陸を堪能することができます。一般的に週末はほとんど飛びませんが、土曜などにT/G訓練があると周辺道路には大勢のギャラリーが集まります。

1/200スケールのP-3Cといえば、HoganのMシリーズからも発売が予定されています。展示会で出展されていましたが出来の方は上々でしたし、おそらくはOEMでなく別途開発しているものだと思います。どちらの表現力が上なのか比べてみたいところですね。また以前模型雑誌の記事で全日空商事さんもP-3Cの開発に意欲を見せていたことがあります。同社は傑作P-2Jを発売したこともあり楽しみにしていたのですがその後どうなったのでしょう。。。

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