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No.123   P-3C 5053 VP-2 JMSDF Hachinohe A/B by Hogan M-Series


INFLIGHT社のP-3Cに続いてリリースされたHoganのP-3C。比較すると価格は高めですがクオリティは格段に良く、大変満足のできる一品です。

満を持して登場したM-series版、「世界一美しい」海上自衛隊のP-3C

発表されてからしばらく間があきましたが、ホーガンM-Series版のP-3Cが遂に発売となりました。ホビーショーでも試作品が展示されていましたが、その完成度の高さから注目していた方も多いと思います。今回は先行して発売されたINFLIGHT版との比較を中心にご紹介していきます。発売前は同スケール、同機種、同航空隊ということでOEM商品ではないか…とも邪推しましたが、結論からいいますと全くの別物でした。

比較写真は左がホーガンM-series版、右がINFLIHT版です。まずは機首の比較から。コックピットのガラスは両社ともに塗装表現ですが、銀色のフレームを省略したホーガンの方がシャープな印象を与えます。また造形についてもホーガンの方が若干シャープな造りでした。以降も随所に出てきますがホーガン版はアンテナの数が半端ではありません。この写真だけでもアンテナが二つ多く付いています。

まず最初に目立つ部分での大きな違いは、主翼上面のWalk Wayのコーションマークだと思います。ホーガン版はNO STEPの表現も忠実に再現されており、精密さを感じさせる表現は日本人好みといえるでしょう。プロペラもホーガン版の方が力強さを感じる造形でした。その他にもエンジンの吸気口付近の金属表現など、ディテールへのこだわりが感じられました。

監視用の窓は共に透明プラパーツで再現されており、P-3Cのモデルでは必須表現といえそうです。光の当たり方の問題かもしれませんがホーガンの方がクリアで若干明るい印象を受けました。随所にみられるコーションマークはホーガンの方が詳細であり、リサーチの正確さが感じられました。アンテナも黒い塗装が施されており実機らしさを演出してくれます。

「海上自衛隊」のフォント。どちらがリアルなのかは判断が難しいですが、ホーガンの方が若干大きめのようです。この写真でも胴体下面にある各種アンテナの数ではホーガンが圧倒しており、このモデルにかける意気込みの強さが感じられます。

尾部に設けられたMADブームに関しては、塗りわけされているINFLIGHTの方にリアリティがあります。一方のホーガンといえば各種ディテールの印刷が多く、できる限りのことを再現しているように思われます。これは一般的な写真だけではわかりそうにない細かさなので、実機資料をかなり集めて研究しているのではないでしょうか。

飾っている時にはほとんど目立たない部分ではありますが、胴体下面は最も大きな違いがみられる箇所で両社の取組み意識の違いが表れています。例えばソノブイ投下孔の表現はホーガンは実際に凹凸をつけているのに対し、INFLIGHTは印刷表現のみに留めています。また主翼下の兵装ステーションやアンテナ等の装備品についてもホーガンは手抜きがありません。

写真が下手で恐縮ですが…、ウェポンベイ周辺の表現でもホーガンが勝っています。ここでもアンテナや突起物、コーションマークなどが多く手がけられており、今回はコストの高さにも納得ができます。1/200スケールでもこれくらいのサイズになるとタイヤは回転させることができるので、タキシングごっこも可能です(笑)

今回モデルとして選ばれたのはVP-2に所属する機体です。部隊にはヤリをモチーフとしたデザインを起用し、ポセイドンの愛称で呼ばれています。青森県の八戸基地をベースとして活動しており、北の海を監視する任務についています。八戸基地は太平洋沿岸に位置しており、東日本大震災の影響が心配されましたが、標高が46mと高い位置にあるので津波の被害は受けなかった模様です。(大きな被害を受けた航空自衛隊松島基地の標高は2m程だそうです)

海上自衛隊では「マイクフライト」と呼ばれる、北海道の流氷を観察する監視を毎年行っており、季節の風物詩となっています。このフライトの模様は航空雑誌にも毎年のように取り上げられますが、温暖化の影響からか流氷の量や時期にもここ数年は変化がみられるような記事を読んだ記憶があります。

このモデルの輸入元である国際貿易さんのサイトで紹介されたコメントが印象的だったので引用させていただきますが、海上自衛隊のP-3Cは世界で最も美しいと言われていたようです。ハイビジ時代のツートンカラー自体が綺麗ではありますが、大きく描かれた部隊マークも楽しいですし、何より軍用機とは思えないほどにピカピカに磨きあげられていたとか。最近ではロービジ一色になっているのが非常に残念ですが、せめてモデルの世界ではカラフルだった頃を再現していただきたいものです。ただし残念なことにしばらく海自機のバリエーションは予定がないそうです。うーん、もったいない。

…と書いた矢先にVP-3(厚木)の追加が発表になりました。さすがに前に購入したINFLIGHT版とモロかぶりなので私は買えませんが、下総203ATSのハイビジが出たら危ないなぁ、つい手が出てしまうかも・・・

今回の化粧箱は紙の質感がちょっと安っぽいように思いました。また機種名や部隊名などは直接箱に印刷されているのに対し、機体の絵はシールが貼られている(タンポ印刷?)という仕様です。もしかして機体の絵だけ印刷に間に合わなかったのかしら?。機体名称は印刷されているので使い回しはできないでしょうし、ちょっと謎がのこります。こちらのモデルは正価で11,550円と結構な高級品なので思い切りは必要ですが、モデルとしては会心の出来だと思います。過去ホーガンは自社オリジナルには力を入れていますが、F-117、EA-6B、Rafaleに続く名作ではないでしょうか。

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