たびパパ 趣味の飛行機ページ 1/200ダイキャストモデル
















Information

→Home      →横長写真館      →イベント訪問記      →ダイキャスト      →LINK  

← BACK     ↑ LIST     NEXT →

No.130〜135  F-16C Thunder Birds #1〜6 U.S.A.F by Hogan M-Series



M-Series初の単座F-16はサンダーバーズ6機セットという企画で登場しました。予定から遅れること8ヶ月後に姿を現した期待のバーズですが残念ながら品定めには注意が必要かも。

アジア・パシフィックツアー2009で日本に旋風を巻き起こしたサンダーバーズ

M-Series初の単座型F-16に選ばれたのは米空軍のアクロバットチームとして世界的にも有名なサンダーバーズ6機が揃ったセット商品でした。しかも日本にも飛来した2009年のパシフィックツアーを行ったチームが再現されており、強く影響を受けた私としては是非ともコレクションに加えたかったアイテムです。

2009年のパシフィックツアーでは驚くことに、1週間の間に千歳、浜松、三沢の3基地に展開しました。残念ながら浜松基地のみ雨に見舞われたものの、千歳と三沢ではフルアクロを披露し、日本の戦闘機ファンを魅了してくれました。千歳では非常に珍しいパターンですがサンダーバーズのためだけに基地が公開され、平日開催ながら3万人の来場者がありました。更に通常の航空祭だった三沢基地ではなんと26万人という驚くべき来場者数を記録しています。

6機でのタキシングはジオラマでは難しいですね。実際はこんなに狭い間隔でタキシングすることはありません。さて少しお値段について触れておきますと6機分の値段そのままですので結果的にはかなりの高級品となります。知っている範囲ではINFLIGHT200シリーズの1/200政府専用機(B747-47C)を上回る最高価格を記録しています。

Mシリーズとしては初の単座型F-16となる本モデルは、ホーガンらしい仕様ながら無難によくまとまっていると思います。ホーガンは自社オリジナルモデルになると気合を入れることが多く、このF-16Cもそれに該当するものと思います。F-16は世界で最も多く配備されている戦闘機ということもあるのでバリエーション展開が楽しみですね。やはり三沢に配備されている米軍のWWレターが出ないかなぁと今から楽しみにしています。

世界でもアクロバットチームをもっている軍隊は多いですが、戦闘機を採用している国は決して多くありません。しかも一線級の機体を使っているのはアメリカとロシアくらいでしょうか。そんな米軍でもやはり新しい機体は実戦部隊に優先して配備されるので、サンダーバーズは旧式のF-16A型を使用していました。しかし2009年にF-16Cブロック52に機種を更新し、機体はパワーアップしています。アクロバットチームの操縦は非常に繊細なのでスロットルパワーが変わるだけでも大変な修正訓練が必要になると思います。

アクロバットチームは大きく3つの流派があります。一つめは単機で行うソロディスプレイ。二つめは10機程度の大きな編隊を特徴とするヨーロピアンスタイル。そして三つめはアメリカンスタイルと呼ばれる4機編隊+2機のデュアルソロで構成されるタイプで、米軍のサンダーバーズやブルーエンジェルス、そして空自のブルーインパルスがこれにあたります。

アメリカンスタイルのアクロはまず先陣の4機編隊の離陸から始まります。リーダー機の排気を避け、また万が一の追突を避けるため、後続の4番機は横に位置する「フィンガーチップフォーメーション」を組みます。手の爪のような位置関係からそのように呼ばれています。

航空機ファンの楽しみ方は色々とありますが、根強いジャンルのひとつにエアバンドがあります。いわゆる航空無線ですが専用の機材さえあれば誰でも無線を聞くことができます。よくこの行為を盗聴と勘違いする人が多いようですが、飛び交っている電波をキャッチするのは盗聴ではなく傍受であり犯罪ではありません。(特定対象に意図的に集音機をしかける等の行為が盗聴となります)。しかし聞いたことによって知った情報を他人に伝えたり、悪用すると犯罪に触れますので、航空祭の会場でスピーカーで音を出したり、言いふらしたり、ネットに書き込む等の行為は控えた方がいいでしょう。ちなみにサンダーバーズの交信は頻繁に周波数を変更するとのことでリスニングが難しいと言われています。幸いにも私はイベント会場で隣り合った方が無線に詳しい方で、見つけた周波数を教えていただくことができました。詳細は書けませんがリーダーは演技のタイミングを歌にのせて編隊をコントロールしており、その声は今も記憶に残っています。

サンダーバーズの機体にはエアインテイクの左側面にポジションナンバーが記入されています。有名な話ですが背面で飛ぶことが多い5番機はナンバーが逆に描かれており、今回のセットでも忠実に再現されていました。

塗装についてですが、本モデルでは塗膜が厚く「ボテッ」としていますが、艶を表現する意味ではよいと思います。6機セットということで個体の出来のバラつきを心配していましたが、高額商品ということもあってか仕上がりは比較的安定していると思います。ただ一点を除いて…(後述)

4機編隊が緻密な操縦技量を披露するのに対し、ソロ機は戦闘機が持つパワフルな機動力を魅せつける役目を担っています。2機のソロは離陸直後から機体が持つ性能をフルに発揮し、急上昇を行います。F-16Cは小型軽量の機体と高出力エンジンの組合せにより、軽快な機動性を誇ります。

さてこの写真の中にある違和感に気づきますでしょうか?F-16Cのフォルムに見慣れているファンの方であれば「なんか変だな…」と思うに違いありません。このモデルの問題点については下の方で後述しますが、大いに頭を悩ませられます。

せっかくのセットモデルですので編隊飛行の撮影にチャレンジしようと思いましたが無理でした、すみません…。ちょっと機材も必要ですし作戦を練る必要がありますが、成功したら後日アップデートしたいと思います。とりあえずはソロの見せ場であるスニークパスのイメージです。

デュアルソロの課目で観客から歓声が沸くオポジングクロス(対面交差)です。これが実際に写真で撮ると難しくて(笑)。時速800kmで飛行する戦闘機が1秒間に移動する距離は222mで、それが互いに別方向に侵入してきますので交差する瞬間は本当に一瞬です。ハイエンドの一眼レフカメラの秒間9コマの連射を使っても、ただ押しっぱなしにしていれば写せるという単純なものではありません。

振り返ればMシリーズ最初のモデルはF-16D型のサンダーバーズ予備機でした。Hogan社はOEM先であるHerpa社への配慮からか単座のF-16の発売を遅らせてきましたが、いよいよリリースとなりました。今みると赤の色使いが違いすぎて並べて飾るには少し厳しいですね。本セットではレギュラーの6機+リザーブのD型1機という組合せだったら尚面白かったと思います。

ここで先行して発売されていたHerpaモデルのF-16Cサンダーバーズ(奥)と比較してみましょう。あらためて並べてみると明らかにHerpaの方はコックピット周辺で失敗してますね。造形自体はモールドも繊細で塗膜も薄く、詳細に造り込まれていただけに非常に残念ですね。

くどいですが…Herpa(左)のコックピット内はひどいですね。もしかして塗装をし忘れた不良品だったのかもしれません。キャノピーの形状も開閉式のHerpaに対し、Hogan(右)は一体感があっていいですね。

さて、ここで大問題が発生。商品の状態については店頭でチェックさせてもらってはいたものの、お恥かしながら家に帰ってじっくり見るまで気づきませんでした。垂平尾翼の取り付けが天地逆ではないですか…(最下段の実機写真をご参照下さい)。正解はF-16Cの水平尾翼は下向きの「ハ」の字のようになりますが、取り付けを間違っていたようで上を向いてしまってます。念のためネット通販等でみられる商品見本を見てみましたが、どうも見本写真でさえも上下を間違っている模様…ですね。

気になったのでホビーショーで展示されていた見本を見返してみましたところ、…とても嫌な予感がしてきました。

手前の機体はまだセーフですが、奥の機体を見てみたら完全にアウト、水平尾翼が上を向いちゃってます。ひょっとしたらホーガン社ではF-16の尾翼形状を間違って認識しているのかもしれません。最悪の想定ですが製造元が間違っていれば流通する商品は全て間違っていることになりますが、国際的な取引になるダイキャストモデル業界でリコールなんてあるんですかね。

さらにもう一点気をつけなくてはいけない重大なチェックポイントがあります。セットモデルなので当然1番機から6番機が揃っていると思いがちですが、なんとそうとは限りません!検品させていだたいたところ同じ機番がダブって入っており、しかもそれが偶然ではなく2セット立て続けに発生しました。なんということでしょう…。ブラインドボックスみたいに「何番機が入っているかはお楽しみ!」では済みませんね。今回も商品企画は素晴らしいものの製造現場の品質管理が追いついていないというオチがついてしまいました。この商品は高額商品ですので、できるだけ商品の中身をチェックできるお店や検品した上で発送してくれるお店で購入されることをお奨めいたします。

 

[後日談]
購入したショップさんに相談したところ、無事に別の商品と交換していただけました。さすがに機番、尾翼の問題ともにクリアされており一安心しました。ただ尾翼の問題は私以外にも見られたようなので一部のロットに潜んでいる可能性はまだあります。箱の中身が見えない量販店で買うよりは信頼・相談できる専門店をあたった方がよいと思います。

サンダーバーズセットの化粧箱です。トップは扉となっていて開くことができ、6機並んだ姿を見ることができます。コレクターとしては箱にしまっておいても持ってるだけで嬉しい気持ちになれますので、特に2009年のパシフィックツアーに行かれた方には記念の意味でもお奨めの商品です。

 

 

実機








[20110729]

← BACK     ↑ LIST     NEXT →