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No.136  T-2 59-5192 21sq JASDF Matsushima A/B by Gulliver200



ガリバー200からT-2高等練習機が「COMMING SOON」の広告から約1年ぶりに発売されました。発売予定の直前に延期された背景に、色々な紆余曲折を邪推してしまいます…。

ファイターパイロットを育て上げた、初の国産超音速ジェット練習機

T-2高等練習機は戦後に日本が開発した、初の国産超音速ジェット機です。戦時中に優れた航空機開発を誇った日本は、敗戦により航空機の開発を禁止されましたが、その間に世界ではジェットエンジンの開発や音速突破というイノベーションが起こり、日本は完全に後れをとってしまいました。T-2は日本の航空機産業が再び世界に追いついたという意味で日本の航空史に残る、意義のある機体といえるでしょう。ちなみによく「イタリアのジャギュア(ジャガー)戦闘機に似ている」とも言われているようですが、生まれたばかりの赤子もスポーツも上達の第一歩はまず上手い人を「真似る事」です。

T-2は翼面積の小さな高翼機で、細見のシルエットをもつ機体です。そのシャープなフォルムからも想像できるように超音速飛行の実現を重視した設計で、旋回性能や機動性については二の次といったところでしょう。このT-2は高等練習機というカテゴリーに位置づけられていて、T-3、T-1、T-33A、T-4と操縦体験を重ねてきた戦闘機パイロット訓練生が初めて音速飛行と兵装を体験するための機体でした。

T-2は大きくバルカン砲の有無で分けられ、未装備が前期型、装備している機体が後期型と呼ばれています。前期型は機首部分がオレンジ色に塗られているので一目で識別することが可能です。今回モデル化されたのはバルカン砲を装備する後期型です。実際に目で見る分にはほとんど目立ちませんが、写真で見るとインテイクにかけて微妙なラインがみられますが、これは前期型へも応用利用させるための布石でしょうか?。少し価格の話に触れておきますと、1年前に案内された時に比べて定価が上がっています。今回は予約時の価格で買えましたし、値引き販売もあるので実質的な影響はあまり感じませんでした。ここからは邪推ですが…発売直前になっての延期から考えて、「採算がとれる販売見込みが立たなくなった」→「塗装変えで22sqバージョンも出し製造数を増やし、単価コストを軽減」→「どうせなら金型を修正して前期型も作れるように」→「T-2前期型の販売と、T-2ブルー6機セットの企画も可能に!」。なーんて事は考えすぎでしょうか。

T-2のほとんどの機体は松島基地に集中配備されていたため、「T-2を見たければ松島に行け」とも言われていました。松島基地ではT-2の前/後期型に加え、同機を採用していたT-2ブルーインパルスも所属しておりまさにT-2のホームベースでした。他に見られる基地としてはのT-2といえば開発実験団に3機(うち1機はCCV仕様)、もしくは三沢のF-1飛行隊の支援機として数奇が配備される程度でした。ちなみにT-2の後席に機材を増設し、戦闘機型として開発したのが初の国産ジェット戦闘機となる三菱F-1です。

事前のアナウンスでは松島第4航空団の第21、22両飛行隊のモデルが発売されるとの事でしたが、まずは先行して第21飛行隊のみが発売されました。この第21飛行隊は教育飛行隊の役割を担っていますが、その教官パイロットにより構成される戦技研究班というチームがいわゆる「ブルーインパルス」でした。T-2時代のブルーインパルスはアクロバットの専門チームではなく、教官活動の一環として研究した機動飛行を展示するという、二足のわらじをはいていました。通常のT-2もブルーインパルスの支援機として、航空祭の基地に帯同したり、メンテナンス中の機体に代わって飛行したりしました。

T-2は兵装に関する訓練を行うため、ミサイルやロケット弾などを装備することが可能です。ただし今回のモデルでは兵装どころかドロップタンクも装備しない見事なまでのクリーン形態で発売されました。もっとも実際のT-2でもあまり装備をつけているイメージは強くないので問題はありません。ただフル武装をモデル化するというガリバーフォーマットから考えると、かなり物足りなく感じます。またブルーインパルス機と比較すると翼端のミサイルランチャーが標準ではついていないので、よりシンプルに見えてしまいます。ブルーのランチャーは車のエアロパーツみたいに「見た目」を重視した装備ですが、やはりあった方が格好よく見えますね。

ブルーインパルス機との仕様の違いとして、キャノピーの風防が挙げられます。通常のT-2ではF-4ファントムやF-14トムキャットのように風防にフレームが入っています。戦闘機ゲームをプレイしたことがある方はよくわかると思いますが、このフレームは視界を遮るのでとても邪魔に感じます。特に低空でアクロバット飛行を行うブルーインパルスにとっては嫌な存在だったでしょう。そこでブルーインパルス機にはバードストライク対策も考慮した一体成型強化キャノピーが採用されています。

日米のジェット練習機比較。T-2はだいぶ大型な機体であることがわかります。今回のT-2ですが、過去のGulliver200シリーズに比べるとステンシル類の再現は最小限ですし、塗膜も厚いように思います。つまりホーガン標準っぽい作りです。ただし装備品はなく、固体ごとのムラも目立たないので、品定めの苦労はないと思います。

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[20110824]

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