たびパパ 趣味の飛行機ページ 1/200ダイキャストモデル
















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No.139  T-2 99-5160 22sq JASDF Matsushima A/B by Gulliver200



T-2のバリエーションとなる第22飛行隊版が発売されました。安定した完成度だった第21飛行隊版に比べると、脚の仕上がりに難がみられるようです。

ファイターパイロットを育てあげた、赤いマークの第22飛行隊T-2高等練習機

GulliverからT-2高等練習機の第二弾が発売されました。今回は部隊マークが赤い第22飛行隊の160番機が再現されました。マークは松島基地にある第4航空団に因み「4」をモチーフにデザインされたもので、青いマークの第21飛行隊とは姉妹関係です。今回は「完売」→「番号替再販」という流れではなく、第21飛行隊版が発売される前からこの第22飛行隊版もアナウンスされていました。これは二個買いを期待した商品戦略とも考えられますし、良い方に考えれば選択肢が広がっていいと捉えることもできます。

T-2は日本の航空産業が待望した初の国産音速ジェット機です。戦後の航空機開発の空白期からの立ち直りを象徴する歴史に名を残す機体です。今回のモデルも「後期型」とよばれる機首左側にバルカン砲を装備した機体が再現されています。

ガリバーモデルの特徴だったステンシル類が少ないなぁ…と思っていましたが、これはあらためて比べてみるとF-1と一緒でした。T-2は「NO STEP」などの注意書きはないのかな?。ちなみに初期のガリバーF-4EJファントムの主翼には「踏むな」が再現されており、その仕事の緻密さには大変驚かされました。

複座のT-2は基本的には前席で操縦しますが、練習機なので後席の教官が操縦桿を握ることもできます。二人乗りゴーカートのように操縦系統は連動しているようですが、例えば学生がどうしても課題をクリアできず、これ以上の操縦は危険と判断されると操縦する権利を教官に渡さなければいけません。この時どちらが操縦する権利をもっているかを宣言するのが有名な「I have controle:アイ ハブ コントロール」というセリフです。ガンダムOOでもハレルヤが使っていましたね(笑)

T-2は二つの飛行隊が松島基地に集中配備されていましたので、航空祭の飛来以外ではなかなか見られない機体でした。反対にT-2をみたければ松島に行けといわれたように、T-2ブルーインパルスも含めて堪能することができました。ただ松島航空祭は夏真っ盛りに開催されるのですが同時に海霧に見舞われることも多く、フライトが中止になる確率が高いのです。また開催されても炎天下、エプロンの照り返しも加わり体力の消耗は半端ではありません。撮影環境も逆光気味なので撮影には難易度が高い機体だなぁという印象でした。

航空自衛隊のパイロット養成ではT-3やT-33A等で基本操縦課程を終えた後、戦闘機コースと輸送機コースへと分かれますが、戦闘機コースではT-2に乗ることで初めて兵装操作と音速飛行を習得することになります。その細身のシルエットで人気があったと書かれることが多いT-2ですがなるほど、このアングルからみると素敵な感じですね。モデルの方は目がいきやすいキャノピーまわりは気持ちよくピッタリと合っています。

モデルの完成度の話になりますが、前作の第21飛行隊版ではどの個体を比べても均一的な仕上がりで安心して商品を選ぶことができました。そのため今回も品定めは問題ないかな?と思っていましたがここで落とし穴が。脚の取付けが曲がっている個体がかなり多く、セメントの処理が荒っぽいものも見られました。職人さんが不慣れだったのか、見えにくい機体下部は手を抜こうとしたのか…は定かではありませんが、第21飛行隊版が安定した仕上がりだっただけに残念な話です。

T-2は高速性能を重視した設計が行われていますが、当時の主力戦闘機だったF-104Jも速度至上主義を実現したような機体で小さな主翼が特徴でした。主翼面積が小さいということは空気抵抗の点では有利ですが、機動性を高めようと思った時にはマイナスとなります。小回りが効かないこの機体では乗りこなすのも大変だったことでしょう。

T-2は高等練習機とよばれるように、実戦部隊に配備される直前のパイロット訓練生が激しいトレーニングを重ねる機体です。中等練習機で航空機の飛ばし方を学んだあと、アフターバーナーを使った戦闘速度を体験し、空対空、空対地の兵装訓練を行います。低速で飛ぶことが苦手なT-2では判断をモタモタしているとあっという間に機体は進んでしまいますから、機体操作はさぞ難しかったことでしょう。

T-2が送り出した学生は1400名余りにものぼるそうです。ほとんどの機体は松島基地の第21、22両飛行隊で使用されていましたが、数機は他の部隊にも配備されました。まず岐阜基地にある飛行開発実験団では主に機体と兵装のテストに使われており、そのうちの1機はT-2CCVとして高機動試験用機として改造されています。その他にはF-1戦闘機部隊の支援として第3、6、8飛行隊に支援機として配備されたほか、飛行教導隊にも採用されていました。

T-2に代わって導入されたのはF-2Bです。この機種変更の際に訓練は第21飛行隊が擁するF-2Bに一本化されることになり、赤いマークの第22飛行隊は解散となっています。

 

実機









[20110916]

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