たびパパ 趣味の飛行機ページ 1/200ダイキャストモデル
















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No.149  F-15DJ 82-8063 AGR Nyutabaru A/B JASDF by Hogan M-Series



ホーガンからストライクイーグルと同時に発売された複座型のイーグルです。先行するガリバーの名作モデルに対し、どのようなアプローチをするのか大変興味がありました。

航空自衛隊最強の翼、アグレッサー飛行隊から通称「そとあお」がテイクオフ。

1/200スケール戦闘機の世界ではガリバーのF-15イーグルが名作として君臨していましたが、今回ホーガンがF-15DJを投入しました。しかも航空自衛隊の飛行教導隊をチョイスしたので「これはガリバーへの挑戦状か!」と思った方も多いのではないでしょうか。今回は両社モデルの比較を中心に進めていきたいと思います。

有名な話なので既にご存じの方も多いと思いますが、航空自衛隊の飛行教導隊が使用する機体の各機には派手な個別パターン塗装が施されています。これは教導隊相手の空戦訓練では機体操作に夢中になって余裕がなくなる場合が多く、安全を確保するために派手目な識別塗装を行うことが目的の一つです。もうひとつは空戦時に使えそうな迷彩や色彩の研究を狙っているために多くの塗装パターンが試されているそうです。今回発売されたモデルは翼を青く塗装した「そとあお」と呼ばれる機体です。

それでは両社モデルの比較に入っていきます。写真左側が先行発売していたガリバー200シリーズのF-15DJ、右側が今回発売されたホーガンMシリーズのイーグルです。パッとみた瞬間の印象ではやはり後発のホーガンの方がシャープな感じを受けます。

機首部分に関しては右のホーガンの方が優れているといえそうで、かなり上手に作っています。左のガリバーモデルは以前から指摘があったようにキャノピーが弱点でした。また両社モデルを比べるとガリバーはノーズ・キャノピー共に丸っこく、逆にホーガンはシャープな造形になっています。キャノピーのフレーム形状はハッキリと違っていて面白いですね。HUDの再現もホーガンの功労ですし、シリアルナンバーの表現も勝っているように思います。

さて色々と物議を醸しているモールドの違いについてです。左のガリバーはモールドによる表現を多用しているのに対して、今回のホーガンはモールドは最低限で、細かい部分はタンポ印刷を多く使って表現しています。ガリバーモデルに慣れてしまった目にとって、これは残念に感じた方も多いと思います。そんな私もそうでした…最初は。

日本人はモールドにこだわるが、米国ではのっぺりでも全く問題ない…という文化の違いがあるそうです。日本のメーカーであるガリバーは1/200スケールの小さなモデルにこれでもか!というほどのモールドを彫ってきました。一方ホーガンのモデルはほとんどモールドレスで、あるのは主翼と胴体の間にある1本のみです。このライン自体は実機の三面図をみるとその通りに入っているので考証はされているようですが、それにしてもモールドは極端に少ないです。

モールドは主翼に限らず垂直尾翼にも大きな差がみられます。ホーガンの方は舵の部分だけは表現されていますが、それ以外は平面のままです。また実物を見ている分にはそれほど気になりませんが写真で見てみると接着剤のはみ出しや汚れらしいものが非常に目立ちますね…残念ながら作業は雑です。

エンジンノズルの表現はホーガンに軍配が上がります。

水平尾翼は製造法の分かれ道。左のガリバーは本体との一体成型ですが、右のホーガンは別パーツの接着方式です。この水平尾翼ですがホーガンモデルはなぜか「逆ハの字」のように上を向く癖があるようです。ちょっと力を加えて水平に調整しましたが、検品の際には注意してみて下さい。ちなみに垂直尾翼も傾いていましたので品定め時には気を付けたいところですね。

高温になるエンジン付近は別金属が使用されています。ホーガンのこのシルバー部分は塗装の感じは良いですが、やはりモールド表現があっさりしすぎですね。武装の選択も両社分かれて面白いですが、ホーガンの方が実際の装備を参考にしているようです。主翼下パイロンに吊っている二本のドロップタンクはボリューム感を増していて私は好きです。さて車輪が収まる部分のギアカバーは開閉で両社の表現が分かれていますが、実機写真を見てみるとガリバーのように閉じている方が正解のようです。

数あるアグレッサー識別塗装のうち、両社は何故この機体を選んだのか?が気になります。ガリバーからはこのほかにも黄色系の機体が出ていますし、ホーガンからは「くろ」が同時発売されています。この他にも「黒&緑」の機体など人気の機体が控えていると思いますが、今後どちらが教導隊バリエーションの主導権を握っていくのかは大きな関心事です。

あらためてモールド表現の差をクローズアップします。F-15の主翼はその面積の広さから「テニスコート」とも呼ばれています。その広い主翼面にはやはりモールドが欲しいと思うのは自然なことでしょう。ただしモールドの細さを考えると1/200ダイキャストモデルの初期商品であるガリバーよりも最新モデルであるホーガンの方が良い部分があったりもするので勿体ない話です。

あと気になったのは主翼の造形です。ガリバーモデルにはイーグル独特の捻りとフィレット(角の丸め)処理が施されており実機に近い印象ですが、右のホーガンモデルは平らな板のようにも見え、少々適当に作っている感じが見られますねぇ…

「そとあお」はデザインのせいもあってマスキング感たっぷりですね(笑)。まぁそれは置いておいてモールドレスの主翼をたっぷりと見たいと思いまして飛ばしてみました。…あれ、1か月も経って見慣れてくるとそんなに悪くないような気もしてきますから不思議です。通常塗装機のモールドレスは厳しいと思いますが塗装に目が奪われる教導隊の機体なら遠目から鑑賞するだけなら意外と勝負できるのかな…

ちょっと夕暮れをイメージしつつ…以上、ホーガンが手掛けた飛行教導隊のF-15DJイーグルでした。今後のアグレッサー機の充実に期待しているものの、繰り返しになりますがどちらのメーカーが主導権を握っていくのかが気になります。理想としては製造委託先を変更したという噂のガリバーさんが新金型でモデリングもモールドもバッチリなダイキャストモデルを展開してくれるのが嬉しいです。でも次にご紹介する「くろ」は塗装面積が多いのでこの「そとあお」よりはモールドも気になりません。…だとするとリリース頻度が多く、塗装バリエーション展開が得意なホーガンの方が商品提供は豊富かな…なんてことも考えたりします。この件は楽しみにして推移を見守りたいと思います。

 

■BOEING F-15
The F-15 Eagle is an all-weather,extremely maneuverable,tactical fighter designed to permit the operator to gain and maintain air superemacy over the battlefield.The F-15 Eagle entered into service with USAF in 1976 and subsequently exported to Isreal,Japan,and Saudi Arabia.Evolves from the basic design of F-15 with emphasis on dual-role capabilities,the F-15E Strike Eagle entered service with the USAF in 1989.The F-15E Strike Eagle is designed to perform air-to-air and air-to-ground missions.An array of avionics and electoronics systems gives the F-15E the capability to fight at low altitude,day or night,and in all weather.Variants of the F-15E are also in service with the air forces of Isreal,Saudi Arabia,Singapore,and South Korea.

 

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