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No.225  DDH143 SHIRANE JMSDF by DeAGOSTINI




デアゴスティーニ自衛隊モデルコレクションからシリーズ22号として護衛艦「しらね」が発売されました。個人的にも観艦式で乗せてもらった思い出のある護衛艦です。

約30年間海自の「顔」であり続けたヘリ搭載護衛艦。

DDH143「しらね」はヘリ搭載護衛艦という世界でも珍しいカテゴリーとなる艦艇です。前方からのアングルではその意味がわかりづらいですが、その最大の特徴は後部のヘリ甲板にあります。

 

ヘリ搭載護衛艦の第1世代とも呼べる艦艇はDDH-141「はるな」、DDH-142「ひえい」、DDH-143「しらね」、DDHー144「くらま」の4艦で、山岳の名前がつけられています。

 

ヘリ搭載護衛艦の特徴は後部飛行甲板です。通常の護衛艦もヘリ甲板を備えていますがDDHは通常よりも甲板が広く、同時に3機のヘリを運用することができます。これは海自が潜水艦に対しての哨戒能力を強化するにあたり対潜ヘリの活躍が重要視され、より多くのヘリを搭載したいというニーズにより開発されました。

 

装備品をみていきます。艦首には54口径5インチ単装速射砲×2、アスロックランチャーが装備されています。速射砲は二列目の砲塔がかぶらないように段差が設けられていますが、これは「背負い式」と呼ばれているそうです。

 

艦橋は比較的シンプルデザインで頑丈そうなマストが付いています。模型としては前部のパーツの合間が甘く少し隙間が目立ってしまいますが、どの個体をみても同じような感じの仕上がりでした。

 

特徴的な大型のヘリ格納庫には同時に3機のヘリを格納できるそうです。あれ?煙突が一つしかないな…と思ったらもう一つはマストと一体化しているそうでした。これは格納庫のスペースを設けるためのいいアイデアだと思いました。排気で汚れるから黒く塗装しているのかもしれませんね。

 

格納庫の屋根にはシースパローが配備されています。なお煙突が格納庫内を通っているため右舷側はヘリが1機、左舷側には2機という配置になるそうです。

 

洋上を揺れながら航行する護衛艦にヘリで着艦することは想像以上に高い技術が求められるようです。そのためヘリから出されたワイヤーを引っ掛けて巻き上げるベアトラップという装置が用意されています。

 

この大きな格納庫は観艦式においてもイベントを開催したり悪天候時の避難先としても重宝されるため、「しらね」が観閲艦を務めることが多くありました。

 

八八艦隊という言葉がありますが、これは護衛艦8隻と対潜へり8機で1護衛隊群を構成するという考え方です。DDHが建造された当時はまだヘリを搭載できない護衛艦も残っていたため、3機搭載できるヘリ搭載護衛艦は重宝され、旗艦を務めるようになりました。

 

この「しらね」は2007年12月にCICを全損する火災事故をおこしています。修理には2年の歳月と200〜300億の費用がかかると見積もられましたが、退役する「はるな」から部品を移植することでこの危機を乗り越えたそうです。こういう逸話を知ることができるのはマガジンが付属する分冊百貨の美点ですね。

 

既出モデルとの比較です。左は汎用護衛艦「たかなみ」で右が今回の「しらね」です。共に構造物はプラ製ですが船体は金属製なので、自衛隊モデルコレクションの陸海空の装備品の中では最も満足度の高いモデルのように思います。

 

「しらね」は一回り大きく、さすが旗艦を務めた護衛艦だけあります。DDHはヘリ格納庫と飛行甲板を広く設けるため武装は犠牲になるかと思いきや、「たかなみ」に比べても速射砲が一門多く装備されています。

 

飛行甲板の広さについて比較してみます。手前が「しらね」ですがスペースの使い方の違いが一目瞭然といえます。また「しらね」は甲板が二階層になっていることも特徴的ですね。

 

さてここで一つ問題提起させていただきます。大問題としてヘリ搭載護衛艦である「しらね」であるにも関わらず、ヘリの模型がついてこない点はいかがなものでしょうか…。ここは監修者の方にもう少しコダワリを持って欲しかったと思います。(写真は「ひゅうが」に付属してきたヘリを乗せています。)

 

最後に「しらね」型の後継艦となる「ひゅうが」との2ショット。全く別物の艦艇に見えますが同じヘリ搭載護衛艦というカテゴリーに所属する艦です。「ひゅうが」は全通甲板を採用したことで実質的な「空母」に見えますが、DDHの進化と変貌ぶりは海自が一つの転換期を迎えたことを象徴しているように思います。

 

■DD143 しらね

基準排水量:5,200t

全長:159m

全幅:17.5m

吃水:5.3m

主機:蒸気タービン2基2軸

出力:70,000馬力

速力:32ノット

兵装:

 アスロック1基

 シースパロー1基

 54口径5インチ単装速射砲2基

 高性能20mm機関砲(CIWS)2基

 3連装短魚雷発射管2基

搭載機:

 SH-60J/K 3機

乗員:350名

実機




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