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No.226  P-3C 5029 203ATS JMSDF Shimofusa A/B by ANA Trading

傑作モデルだったホーガンP-3Cが全日空商事版で登場しました。予約したのが2011年11月でしたから実に2年以上経過しており、忘れた頃にやってきた…という感じでした。

 

数多くの対戦哨戒任務クルーの育成をに担った、ハイビジ塗装時代のATLAS。

全日空商事さんがP-3Cの開発に着手しているという話を模型誌の記事で読んでから、かれこれ5年は経ったと思いますが、この度そのモデルが結実しやっと手元に届くことになりました。その間にインフライト社、ホーガン社からP-3Cは先行して発売されていますが、全日空商事版の商品作りはかなり趣が異なっていました。

 

P-3C今回のラインナップは八戸VP-2のロービジ機、厚木VP-3、VP-6のハイビジ機、そしてこの下総203ATSのハイビジ機の4種類が同時発売されています。私は知人がクルーとして搭乗しているという事もあり教育航空隊のP-3C,通称ATLASを選びました。全日空商事さんはこのあとも各航空隊の追撃ラッシュを行う構えですが、価格も高いので全てを揃えるのは容易ではありません。しかしレア機であるUP-3Cだけはとても気になります…。

 

本モデルでは両主翼下のパイロンにハープーン4発が装備されています。教育航空隊としてミサイルの装着や搭載時の操縦なども訓練に入っているのでしょうかね(積んで飛行している姿を見たことがないので…)。その他注目すべきは主翼とエンジン周辺ですが、Mシリーズ版に比べても更なるディテールアップが施されています。

 

それでは既出モデルと比較していきます。左は先行して発売されているMシリーズ版で右が今回発売された全日空商事版です。基本は同じ金型を使っているのでシルエット的に大きな違いはありません。

 

左のMシリーズ版に比べるとマーキング類が追加されています。全日空商事版ではコックピット上部にあるハッチも描かれており、実機調査と再現力の丁寧さを感じます(写真は解像度が悪くてすみません)。昔聞いた話では全日空商事さんは自衛隊に取材協力を依頼し、実機のディテールを調べるべく足を運んでいるそうです。航空会社らしいこだわりの取組み姿勢がうかがえますね。

 

大きな違いが見られたのが主翼上面のウォークウェイの表現でした。Mシリーズ版は薄いグレーで表現されているところを全日空商事版ではかなり濃い目の色となっています。エンジン基部のパーツは新たに造形されていました。ディテール表現もMシリーズ版に比べてさらに細かく描かれています。

 

機体後方の比較です。全日空商事版では右水平尾翼に新たなマーキングが追加されています。また特徴的な尾部のMADブームは全日空商事版の方が細かく塗り分けられていて、こちらの方がより実機に近くなっています。

 

両モデルの決定的な違いがこちらでした。Mシリーズ版では主翼下面のマーキング類は省略されていますが、全日空商事版は手抜きすることなく描きこまれていました。機体下の細部までリサーチする取組み方も素晴らしいですが、モデル化にあたって目にみえにくい部分も手を抜かないという姿勢はガリバーさんと共に日本の企業らしいコダワリを感じさせてくれます。

 

続いてはInflight200シリーズのP-3Cと並べてみました。世界一美しいと呼ばれた海自のハイビジP-3Cを日本の全日空商事が監修したわけですからこれは最高のモデルと言って過言ではないでしょうか。一方のInflight200版は比較するとかなり見劣りしてしまいます。ディテール不足もさることながら、ロービジ塗装の再現性も及第点に及びませんでした。

 

下総基地の盟友、第205教育航空隊のYS-11T-Aとのツーショットです。YS-11T-Aは既に退役してしまい、P-3Cはロービジ化してしまいましたから今では見られない光景という事になります。

 

本モデルは傑作モデルであるMシリーズ版をベースにしていますが、更なるディテールアップが追加されており、本家を超える出来映えとなっています。全日空商事の航空機モデル造りに対するコダワリに加え、海上自衛隊の積極的な協力も加わったら最強でしょうね。共に航空機を運用する組織同士ですから意気投合する部分も多いように思います。

 

もともとがエアライン系のダイキャストモデルを企画・販売している全日空商事さんだけあって、中型・大型機は相性もよく得意とするところだと思います。同社が過去に商品化したP-2Jネプチューンも商品企画力と高い品質管理において大変高い評価を得ていました。

 

対戦哨戒の任務は長い場合だと8時間にも及ぶ長時間任務だそうです。そのため機内で任務につく間に食事をとったりするそうで、クルーの方達にとっては職場であると同時に生活の場でもあるのではないでしょうか。自分が乗っていた機体がこのような素晴らしいモデルになったらさぞかし嬉しいでしょうね。

 

全日空商事版モデルの大きな特徴がこのディスプレイベースです。今までも飛行状態を再現できるスタンドが付属する事はありましたが、このようにジオラマとして楽しめる要素を追加しているのが最近の全日空商事さんのトレンドです。この他にもエアラインモデルではランウェイエンド+飛行スタンド付属というパターンも採用されています。

 

ディスプレイベースは下総基地のエプロンが再現されています。ベースに印刷されている下総航空基地マークは実際に存在し、VIPなどが飛来した際にはここに降りて建物に進んでいくようです。このベースとモデルは専用の接続パーツで固定することができるのですが、その際タイヤが接地しないように機体は少し浮いた状態となります。これはゴムパーツが変質しないようにとの配慮だそうです。

 

化粧箱を含む商品構成がエアラインモデルっぽいですね。全日空商事モデルは1機ずつ詳細に書かれた解説がつくことが特徴で資料価値としても高いと思います。こうなると航空機模型ファンだけでなく、自衛官の方達にとっても着任や退官時の記念品として価値あるものになると思います。最後に繰り返しになりますが、本モデルは本家ホーガンのMシリーズから出た傑作モデルを全日空商事の企画力、品質管理力を加えた商品であり大変付加価値のあるパッケージです。敢えていうなら機体下面に固定用の穴があいているので、飛行用ディスプレイスタンドも付属していれば尚良かったかなと。

 

■BOXより転記

下総教育航空群第203教育航空隊

 P-3C哨戒機は、米国ロッキード社が開発したターボ・プロップ4発のL-188エレクトラ旅客機を哨戒及び対潜作戦用に改造して作られた航空機である。全備重量は135,000LBSでT-56-A14型ターボプロップ・エンジン4基を搭載している。この航空機の特徴は、探知センサーと攻撃兵器を統合するコンピューターにより効果的に対潜戦、対水上戦及び対機雷戦等の作戦を遂行できる能力を保有しているところにある。

 第203教育航空隊は、千葉県柏に所在しておりP-3C哨戒機搭乗員の最終段階の教育を担う部隊である。操縦士、戦術航空士、機上整備員、第1/2対潜員(音響)、第3対潜員(非音響)機上電子整備員及び機上武器員からなる、P-3C搭乗員全ての教育を実施し全国の部隊に送り出している。教育は、P-3C哨戒機の機体及び性能のような基礎的事項から始まり、Z監視、対潜戦、対水上戦及び対機雷戦等P-3C哨戒機の実施するあらゆる任務に関する知識及び実施手順に至るまで広範多岐に及ぶ。これらを座学による知識教育、P-3Cを模擬とした地上訓練装置及び実際のP-3C哨戒機を使用し教育を実施している。

 第203教育航空隊は昭和53年にP-2J対潜哨戒機の後継機としてP-3C哨戒機が導入されたことに伴いP-3C哨戒機の搭乗員養成部隊として昭和62年に新編された部隊である。発足当時は第206教育航空隊と呼称されていたが平成9年に第203教育航空隊と改称された。また平成23年に航空士の基礎的な教育を担当していた第205教育航空隊が教育に使用していたYS-11T除籍に伴い解隊されため、第205教育航空隊で実施されていた基礎的教育を含め。現在は海上自衛隊の固定翼機に関する大型機によるすべての搭乗員教育を第203教育航空隊のみで実施している。主力哨戒機がP-3Cに代わって久しい今、海上自衛隊固定翼航空機搭乗員のほとんどが第203教育航空隊で教育を受けた搭乗員であり、海上航空を支える主力部隊の一つといえる。

 スコードロンマークの中心にある星は第203教育航空隊を意味している。5つ伸びている赤い線の先は日本全国の海上自衛隊航空基地を意味しており、上から青森県八戸(第2航空群)、神奈川県厚木基地(第4航空群)、山口県岩国(第31航空群)、鹿児島県鹿屋(第1航空群)、及び沖縄県那覇(第5航空群)を意味し、下総から若鷲(搭乗員)が日本全国の各地に巣立って行く様を表現している。

 

■性能諸元

P-3C

種類 哨戒機

等級 陸上多発

型式 P-3C

製造会社(ライセンス国産) 川崎重工株式会社

発動機 T56-IHI-14

基数 4基

推力 4,910馬力×4基

全幅 30.4m

全長 35.6m

全高 10.3m

乗員 11名

自重 約75,000lbs

最大離陸重量 139,760lbs

最大速度 395kt

巡航速度 約250kt

実用上昇限度 約31,000ft

行動半径 約2,000nm

燃料容量 約62,560lbs

 

実機


 

 


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