No.227 LST4001 OOSUMI JMSDF by DeAGOSTINI
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デアゴスティーニ自衛隊モデルコレクションからシリーズ25号として輸送艦「おおすみ」が発売されました。よく空母と間違えられてしまう艦艇ですね。 |
エアクッション艇による揚陸任務を行う輸送艦。
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輸送艦の任務というのは物資や人員、兵器といったものを目的に運ぶことが主な任務ですが、海上輸送の場合、どうやって揚陸するか?という方法が重要になるそうです。民間船のように整備された港を利用するならともかく、軍事的な目的を考えた場合、できるだけ多様な海岸に物資を降ろせる能力が求められます。
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従来の輸送艦は艦尾を砂浜に近づけるように接岸し、ハッチを開けて機材を降ろす方法が主流だったそうです。ただしこの方法では接岸できる地形に大きな制限を受けてしまい、艦底を浅くする必要があるため積載能力、航行能力にも制約が生じていました。しかしこの「おおさき」型輸送艦は全く違う発想で設計された輸送艦なのです。
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「おおすみ」は自らが接岸するのではなく、艦尾に設けられたハッチからLCACと呼ばれるエアクッション艇を介して、日本のたいていの海岸に物資を降ろすことができるといいます。また全通式の甲板には90式戦車約10両、武装自衛隊員330人、限定的ながら航空機の運用も可能ということです。
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甲板の前方にはエレベーターを装備しており、輸送車両なら2台を同時に昇降できるそうです。ただしヘリ空母ではないため、航空機のサイズには対応していないものと思われます。側面には搬入口を設けており、整備された港であれば効率よく荷物の詰め込みを行うことができるようになります。
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空母のように右側に寄せて配置された艦上構造物には医務室などの施設が充実しているそうです。基本的に輸送艦は物資を運ぶことが主な目的の艦艇ですが、おおすみ型は東日本大震災の際に派遣され、その平面で広い甲板を利用して入浴支援を行いました。この艦の多用途的な使い道と存在価値が認められた事例といえるでしょう。
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後部にはヘリ甲板が設けられています。しかしヘリ用の格納庫は用意されておらず、あくまで一時的に着艦するためだけの使い道しかないそうです。
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艦尾にはドック型格納庫があり、LCAC2隻を搭載することができます。ここから車両や隊員を乗せたLCACが沿岸部へ上陸して物資を降ろすことが可能となり、その運用が「おおすみ」型の大きな特徴です。…とすればLCACのモデルも付属すべきだろう…と思ったのは自分だけでしょうか。
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車両甲板のモールドも適度に再現されており、組立の完成度は安定している印象を持ちました。ただし車両などの付属品は一切なく、輸送艦としては寂しい状態です。今回のモデルはブリスターパックを持った時からズッシリ感がありました。甲板と構造物はプラ製ですが、艦体は金属の部分が多いようでダイキャストモデルらしさを楽しむことができます。
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似て非なる艦艇の比較です。同じ全通甲板をもつ艦ですが左はヘリ搭載護衛艦「ひゅうが」、右は今回の「おおすみ」です。このような全通甲板の艦艇をみるとすぐに空母だ強襲揚陸艦だと言ってしまうにわかコメンテーターも多いそうです。大きな違いは甲板の下にヘリ格納庫をもっているかどうかによって運用能力が違ってきますし、エレベーターにヘリを載せられるかという事も大きな要素です。さらにF-35などを運用しようと思ったら、甲板に吹き付けるジェットブラストに耐えられるかどうか、甲板の強度や耐久性などについてもあらかじめ想定した設計になっていないといけないでしょう。
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両艦を比較するとその大きさや艦高が全く違うことがわかります。物資を降ろす必要がある輸送艦はあまり高くない方がいいと思いますが、ヘリ搭載母艦の「ひゅうが」の艦高が際立ちます。このように大きさを比較できるのは模型のよい点ですね。
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■LST4001 おおすみ
基準排水量:約8,900t
満水排水量:約14,000t
全長:178m
全幅:25.8m
吃水:6.0m
主機:ディーゼル2基2軸
出力:26,000ps
速力:約22ノット
兵装:
高性能20mm機関砲 2基
特殊装置: 輸送用エアクッション艇(LCAC)2隻
乗員:135名 |
実機

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[20140218] 4910243030403 2490 2490
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