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C-1
記念塗装機

航空自衛隊

第402飛行隊

入間基地


Gemini200
(改造)

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No.328 C-1 78-1026 402sq 60thANNIVERSARY JASDF by Gemini200(改造)


今回は人気があるのに商品化されていない機体を自作してみることに挑戦しました。不安でしたが想像以上に満足できる完成度となりました。

歌舞伎をモチーフとした第402飛行隊の60周年記念塗装機を作ってみた。

今回はダイキャストモデルの改造に挑戦してみました。まずはハセガワのプラキットを購入しました。この機体は派手なデザインが秀逸で話題性も高く、キットの在庫も少なくなっていたことから手配を急ぐことにしました。


欲しかったのはこのデカールです。キット自体は1,680円で購入しましたが、組立て説明書に付いているパーツ取り寄せサービスを使えば+1,500円でもう1枚入手できます。


次に改造するためのベース機を手配しました。新品の店頭在庫も減っているようでしたが、改造目的であり失敗するリスクもあったので中古品を探して安価に購入する方法を選びました。なんとか1つ見つけだし4000円ほどで確保することができました。


中古品でしたが状態もよく一安心しました。もっとも全塗装をしなおすのでパーツが揃っていることが最低条件となります。


本体横側の塗装をやりやすくするため、できるだけ部品を外すことにしました。エンジンは少し力を入れながら動かすと簡単に外すことができました。細くて破損する恐れのあったピトー管も外すことができました。車輪は破損のリスクを感じたので諦めました。主翼はなかなか頑丈でビクともしませんでしたが、それでこそ完成品モデルのあるべき姿だと思いました。


塗装技術に自信がないので、機体下面のグレー塗装はそのまま活かすことにしました。グレーの塗料を1本買わずに済むのでコストを少し節約することもできます。塗りたくない部分をマスキングテープでざっくりと覆います。


ベースの白を塗っていきます。白は隠ぺい率が低いので普通に塗ったら下地のグリーン迷彩色が隠れなそう…ということは私でも想像できました。そこで初めてサーフェサーを使ってみました。今回使ったのはMr.WHITE SURFACER 1000の缶スプレーです。下地を隠す効果があり、そのまま白の塗装として使えるのでとても便利でした。4回ほど塗布を繰り返すとだいぶ元の迷彩塗装が目立たなくなりました。


主翼下面のグレーはそのまま利用しようと思いましたが、マスキングテープをはがしたところ塗膜が剥がれてしまいました。飾れば見えにくい場所なので見送ることにしましたがたいへん注意が必要です。スプレーを吹いた部分とは段差ができたので2000番のスポンジヤスリでやさしく撫でてあげました。


ベースの白塗装が安定してきたところで、いよいよデカールを貼る作業に入ります。今回の作業は最善を尽くしたいと考えており、始めてデカールのりというものを使ってみました。これはデカールの接着力を強めると同時に、デカールを軟化して凹凸に馴染みやすくしてくれる効果があります。


平面のデカールを曲面にキレイ貼るのはさすがに無理があるので、修正を前提に作業を進めました。実際にシワができたり、破れたりしましたがとりあえず鑑賞に堪えられるくらいの位置は決められたと思います。もともと違うメーカーのモデルに貼っているので完璧に合うはずはありませんが、そういう意味では十分な結果だと思いました。


垂直尾翼はプラキットとはパーツ構成が違うので難しい箇所の1つでした。デカールだけで完璧に仕上げるのは無理そうなのでレタッチを前提に作業を進めます。プラキットは左右の尾翼をはめこむ作りですが、ダイキャストモデルは1パーツとして成型されていました。メーカーによるパーツ分割の考え方の違いが面白いと思いました。


エンジン意外のデカール貼り作業が終了しました。最初はたいへん不安でしたが終わってみれば想像以上によい出来になったと思います。デカール貼り作業は最初は苦労しますが、慣れてくると楽しくなってくるので1〜2日あれば終わらせることができます。


デカールの隙間は塗装でごまかすレタッチ処理で乗り切ります。赤い部分はシャインレッドをチョンチョンと塗りましたが、それだけで隙間を十分目立たなくなりました。最後はエンジンとピトー管を取り付けて、デカールを保護するために半光沢のトップコートを吹いて完成です!


第402飛行隊の記念塗装機を並べたいと思いついた時、やはりこいつがいないと締まりませんね。戦隊モノのリーダーカラーは赤と相場が決まっています。


この60周年記念塗装機は、派手な紅白で一際目立つ歌舞伎のデザインで大変話題となりました。本来は50周年の時に登場する予定だったそうですが、イラク派遣など輸送業務が多忙を極め余裕がなかったことから、迷彩の色を変更するだけの案に妥協されたそうです。


特別塗装機は登場する時期が違うので実際には並ぶことがありません。それができるのは模型がもつ魅力のひとつです。


今回作業してみて感じましたが、この60周年記念塗装機は商品化するには塗装パターンが複雑すぎるかもしれません。とくに機首周辺の曲面を覆う複雑なデザインはタンポ印刷で処理するには難しそうです。でも発売されたら絶対に売れるでしょうね。


プラキットとは圧倒的に違うダイキャストモデルの金属感は、写真では伝わらないかもしれませんが実際に手にしてみればすぐにわかります。イメージしてください、この60周年記念塗装機はヒンヤリと冷たく、ズッシリと重たいのです。


昼間の明るい自然光で撮影したので、カラフルで美しい写真になりましたね。カタログ調になりましたが、配色のバランスも良いのでこれは全機揃えたくなるのではないでしょうか。


改造のベース機体を検討した際にシルバーのプロトタイプも候補に考えましたが、長いピトー管が邪魔となり却下されました。通常塗装のC-1も流通在庫は少なくなってきているようで、その枯渇感が背中を押してくれました。


今回感心したのはメーカーは違えどデカールはほぼ問題なく流用可能であることでした。シルエットの再現や縮尺、パーツ位置など両社ともに再現性が高いということがわかり嬉しくなりました。


実はプラキットとダイキャストモデルで大きく違う点のひとつがコックピットガラスの表現方法です。プラキットは胴体内が空洞なので透明パーツを使うことができますが、無垢であるダイキャストモデルは塗装表現が標準的です。今回苦労した作業のひとつがコックピット周りのデカール位置決めでした。正解の位置がわからず、デカールもピッタリとは合わないので5分くらい格闘していたと思います。


機首には漢数字の「弐」の文字が大きく描かれています。流線形を主体とした歌舞伎風のデザインが秀逸と高い評価を受けていました。デカールを貼るという作業を経験したことで、このデザインの特長を隅々まで把握することができるのも楽しさのひとつだったように思います。


垂直尾翼には歌舞伎役者の顔が目いっぱい大きく描かれています。大きなデカールは扱いが難しいかもしれないと思いましたが、このデカールは扱いやすく、品質もよいと思います。


主翼上面にも歌舞伎の顔が描かれていて、全くスキのないデザインといえるのではないでしょうか。これだけ凝ったデザインは手作業の塗装ではまず不可能でデカール頼みとなります。このデカールには1500円の価値がありますね。


最近の特別塗装機は背面に優れたデザインを描くケースが多いのですが、せっかく描いても通常では見ることができないのが難点です。見るためには飛行し、かつ深いバンクをつけてもらう必要があります。幸いこの背面のデザインは入間基地航空祭で披露され、無事に陽の目を見ることができました。


今回の改造についてのアイデアは何年も前から頭の中には湧いていました。
しかし自分には塗装技術や環境が不足しているので、プロの製作代行にお願いすることも考えていましたが、異なるメーカーの商品を組み合わせることは完成形が保証されないため迷惑をかけそうでしたし、料金も安くはないことからなかなか実行に移せませんでした。今回背中を押してくれたのは、素材であるプラキットの在庫がそう多くは残っていないという事でした。

今回の改造でわかったことがいくつかあります。
一つ目はこの特別塗装機のデザインは素晴らしく、商品化されたら絶対に売れるという事です。
二つ目は違うメーカーの商品であっても造形レベルが高いので、問題なくデカールを流用できたということです。極端な話、白のベース塗装だけしてあって、「あとは付属のデカールを貼って仕上げて下さいね」というキットがあるだけでも塗装の手間とコストが減らせるのでありがたいと思いました。

結果的にはダイキャストモデルのコストの他、デカール用のプラキット、ホワイトサーフェサー、デカールのり、塗料2本、トップコートなどが必要となり、そこそこのコストはかかりましたが、満足度はとても高いのでおススメです。


箱の中身がわかるようにパッケージもプラキットの写真を貼っておきました。ここまで揃うと実際の商品のように見えるので愛着もわきますね。


実機



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